ここは上越の高田駅である。
多くの緑と町との融合に、安らぎと旅を自然と意識させてくれる。
昼は時間の関係で、近くの日本料理店で済ませるのだが、ランチの中でボリュームのあるものを、と注文すると「レディースランチひとつ」と板前さんにオーダーを通す声が聞こえた。
レディースランチ? この俺がレディースだと! 暴走族でもレディースに入った事がないのに・・・止めてくれ、これは新手の嫌がらせかと心の中で叫ぶ。
しかし声を出せば、俺だとバレてしまう。
葛藤の中、何故一番ボリュームがあるのがレディースなのかと悩む。
食べてみれば美味しいし、お子様ランチがくるよりはマシか、と変な納得で気持ちも納まった。
そして夜・・・
駅のコンビニが20時に閉まると言うこの土地で、夜飯の在りかを探す。
大通りから外れ、裏の更に裏道に足が向くのは、俺の習性である。
そして人通りも無く、街灯も無い所にポツンと薄暗い看板が見えた。
ヨシ、ここだ。
店に入ると初老の女性がひとりでやっていたのだ。
入って数秒は、お互いの時が止まるのが分かった。
それからというもの、1・「雨は降ってましたか」と聞かれる。五回 2・「すみません、そのメニューは終わりました」と言われる。二回 3・「お客さんこちらの人じゃないですね」を三回 4・その他、孫の自慢話 長々 という結果となりました。
しかし、この雰囲気は嫌いではない。
知らない土地での一期一会、地元の老人と闇とのかすかな融合。
旅でしか味わえない気がする。
そして今回、
この店主を闇に勧誘しなかった事は言うまでもない。