あっちこっちケイイチ オンタイム

よたかの日記を兼ねたブログです

少女の涙よたか

必要な書類があったので、3月まで勤めていたスポーツクラブへ行ってきました。
ずっと足が向きませんでしたが、今のスポーツクラブでかなりストレスを抱えていたからでしょうか、今回はどうしても行ってみたくなったんです。

ちょっと情けないのですけど、教えていた子供たちがプールから上がる時間を狙って行きました。決して遠くないライバルクラブですし、さよならは言わない方が良いと判断していたんです。でも、もう2ヶ月も経ちますし、ちゃんとお別れしたかった。という口実ですけど。

事務所に行って書類をプリントアウトして2ヶ月前まで一緒に働いていたスタッフと談笑して近況などを話しました。

取り立てて隠す必要も感じなかったので、ストレッサーの事も言ったのですけど『色々あるね』と一言。まぁそんなもんだと最初から思っていました。

事務所を出て、プールが見えるギャラリーに行くと教えていた少6の女の子がいて、顔を見るなりこちらを見ていました。

「先生の写真とかなくなってるけど、どうして?」

辞めたことはみんな知っているはずなので、この質問は予想外だった。
実際に他の子供達も私が辞めたことを前提に話しました。
だけど彼女だけは違った。私が辞めていないと信じているような口ぶりでした。

彼女については、うまく泳げなかったバタフライを必死で教えてリカバリーがほぼできる状態まで指導し100メートル個人メドレーを泳いでもらった。だけど平泳ぎで失速して昇級テストに合格させてあげられなかった。

よく考えると、バタフライの練習に時間を取られて、平泳ぎを全然修正してなかった。
今から言うのもなんだけど、平泳ぎの練習を30分だけでもしておけば多分合格できたと思ってます。

タイムを計ったあと、泣きじゃくる彼女にその事を言ったけど、ちゃんと届かなかった。
前の職場での一番大きな後悔の一つです。

改めて「ちゃんと平泳ぎ教えてあげられなくてごめんね」と言うと、彼女は「うん。今度頑張る」と言って帰って行った。

他の子ども達と話をしてから帰り際に門の所にやってくると、彼女が泣きながら母親になだめられていました。
どうやら、表に出るまで涙をこらえていたらしい。

俺のために泣いてくれるなんて本当にありがたかった。
俺が見ていたころ、彼女のタイムはそれほど伸びていなかったし、大した事をしてあげた訳じゃなかった。だけど彼女は忘れないでいてくれた。

「先生ありがとうございました」涙で切れ切れになりながら彼女はそう言った。
「こんなコーチのために泣いてくれてありがとう」

自分の都合で職場を変わった事で、泣いた少女がいた。
今回の転職の意味を改めて重く感じた。

今の職場ではココまで思ってくれる子どもはまだまだいないと思う。だけど、自分の都合で簡単に辞めていい仕事じゃないのかもしれない。

少女の涙を背中で感じながら、そう思ってしまった。